KRAS Mutations As an Independent Prognostic Factor in Patients With Advanced Colorectal Cancer Treated With Cetuximab
http://jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/26/3/374
背景
オキサリプラチン、イリノテカン(CPT-11)が効果がなくなった進行結腸直腸癌に対して、イリノテカンとCetuximabの併用療法が効果が見られる(AACR 2007,N Engl J Med 2004)。
Cetuximabとは、抗EGFR(上皮成長因子受容体)抗体で、腫瘍の増大を抑えるのだが、EGFRの発現がなくとも、効果が見られる(J Clin Oncol 23: 1803, 2005)。
また、EGFRチロシンリン酸化ドメインの変異も感受性には関連しない(N Engl J Med 2005; 353:208.)。 EGFRシグナル経路の下流(eg, EGFR itself, COX-2, VEGF,interleukin-8, Nuclear factor kB, the EGFR ligands epiregulin and amphiregulin) にある遺伝子の発現亢進が感受性のある患者を特定するのに有用かもしれないと言われている(J Clin Oncol.2005, Lancet Oncol 2005, J ClinOncol.2007 J Clin Oncol.2007)。
他にも、cetuximab抵抗性を示すものとしてK-ras変異を検出するものがある。
KRAS mutation status is predictive of response to cetuximab therapy in
colorectal cancer.
Cancer Res. 2006 Apr 15;66(8):3992-5.
においては、
30のCetuximabで治療した転移性結腸直腸癌で、KRAS, BRAF, PIK3CA遺伝子変異
をスクリーニングしてみた。11人(37%)が、cetuximabに反応し、KRAS遺伝子変異
が13腫瘍(43%)で見つかり、治療無効と有意に相関した(11人の反応者ではKRAS遺
伝子変異は0%で、19人の無反応者の68.4%で、変異があった,P = 0.0003).
KRAS遺伝子変異のない患者の全生存率は有意に高かった(P = 0.016; 中央値16.3
ヶ月 対 6.9ヶ月).
また、
Expression of epiregulin and amphiregulin and K-ras mutation status
predict disease control in metastatic colorectal cancer patients treated
with cetuximab.
J Clin Oncol. 2007 Aug 1;25(22):3230-7.
においては、
100人の転移性結腸直腸癌にcetuximab単剤投与し、転移巣でのRNA発現と治療効
果との相関を見てみたところ、
EGFRリガンドであるepiregulinと、amphiregulinを高発現している患者で、Cetuximabが効果が高く(EREG, P = .000015; AREG, P = .000025)、K-ras変異がない患者では、有意に効果があった(P = .0003).
このような背景のもと、今回の報告がなされた。
他にも、
また、抗体依存性細胞介在毒性ADCMCに関与する蛋白のinherited polymorphisms
がある( J Clin Oncol. 2007)
だが、今のところ臨床で使えるマーカーはなく、9割で見られる特有のざ瘡様皮
疹がひどい方が反応率も、生存率も良いという報告がある(EVEREST, 4th
annual ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium)。
今回の報告は、Cancer Res. 2006 Apr 15;66(8):3992-5を報告したグループから
の追加の報告のようです。前回は30症例だけだったので、今回は、89症例と症例
を増やして、KRAS遺伝子変異のCetuximabへの反応性、生存率の予測因子として
の価値を評価するもの。
イリノテカンベースの全身化学療法に効果がなくなりCetuximabを使用した転移
性結腸直腸癌患者89症例で、KRAS遺伝子変異を確認し、治療反応、皮膚毒性(ざ
そう様皮疹)、無増悪生存率、全生存率との相関を検討した。
KRAS遺伝子変異は、27%に存在し、cetuximab治療抵抗性と相関した (24人に変異
患者での反応者0%に対して、非変異患者での反応者40%,P=0.001) 。また、生存
率の悪さとも相関した(中央無増悪生存期間:10.1週 対 31.4 週, P=0.0001,中
央全生存期間: 10.1ヶ月 対 14.3ヶ月,P=0.026).
過去からプールした89症例で、多変量解析を行ったところ、KRAS遺伝子変異状態
が、全生存率、無増悪期環に関連する独立した予後因子であることが分かった。
一方、皮疹は、全生存率にのみ関連していた。
複合解析によって、予後良好因子(皮疹がひどい、KRAS変異がない)が2,1,0個
である患者の中央全生存期間は、15.6, 10.7, 5.6ヶ月であった。
結論として、cetuximabで治療される転移性結腸直腸癌における反応性と生存率
におけるKRAS遺伝子変異の高い予後予測能力が確認された。
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