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内視鏡治療後除菌効果

一般人口に対する除菌の胃がん発生予防は、コントラバーシャルで医療経済の面からは受け入れられなさそう。

ハイリスクの拾い上げの第一弾として、早期癌切除に対する異所性発現予防はどうか、という報告

Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial
The Lancet 2008; 372:392-397

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673608611599/fulltext

対象:
544名の早期胃癌切除後例 半数ずつ割付
オープンラベル
RCT

薬剤:
lansoprazole 30mg 1日2回
amoxicillin 750mg 1日2回
clarithromycin 200mg 1日2回

フォローアップ:
6,12,24,36ヶ月

結果:
36ヶ月のフォローアップで異時性胃癌
除菌群:9例(0ではない。途中まで0とうかがっていたが)
対照群で24例

ITTでのオッズ比 0.353 (95% CI 0.161-0.775; p=0.009)

有害事象:
除菌群:19(7%)で下痢
     32(12%)で軟便
許容範囲

結論:
予防効果あり

コメント:
一般人口に比べれば、早期がん内視鏡切除例は、Nはそれほど、多くないので、そうそうに、保険適応が通りそうだが、除菌が成功しても、3.3%(9/272,フォローアップ内で、かな?)で、異所性胃がんが見られた、という部分も重要かなと感じました。

除菌成功しても、異所性胃がんが見られた症例の検討がなされていくのでしょうか。

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胃癌」カテゴリの記事

コメント

このあいだ医局の抄読会のときに工藤先生が取り上げておられましたね。最初の治療のときには既に後戻りのできないくらいまで細胞異型が生じている場合に除菌後にがんの発生を認めるということでしょうか。肝炎ウイルスではCとBとで若干影響力は異なるようですが、がん化の直接作用としては炎症の持続のほうがウイルス感染による影響よりも強いという考えがあるようです(SVR後の発ガンもあるのですから)。ピロリ菌の場合もそうなのでしょうか?この間の抄読会ではそのような話も出ていたように思います(うろ覚えですが)。強引に一般化してしまうと、長期にわたる炎症が(胃であれ肝臓であれ)細胞異型を起こす一因となっていると。ほかの要因は感染などあるでしょうが。
ですので、除菌後の効果も除菌開始時の細胞異型の有無や除菌後の炎症のコントロールも影響があるのかなぁと思いました。ピロリの直接作用はわかりませんが、菌ですが、細胞に直接入れましたっけ?ピロリが胃の組織幹細胞に直接作用できるのならばすごいなぁと思っているのですが。
冗長になりましたが、これにて。

投稿: mika | 2009年1月 3日 (土) 11時28分

コメントありがとうございます。

point of no return

がどこなのか、ということなのでしょうね。

一度は調べないとな、と思っていたので、長々と記載します。

まず、胃癌は、intestinal typeとdiffuse typeに分かれますが、上記は前者の話ですね。

intestinal typeでは、H. pyloriとの強い関連が示されており、前癌病変(萎縮性胃炎、腸上皮化生)ができる前に除菌すると、進行癌が予防できることがRCTで示されたのが、2004年のJAMAでした(14;291:187-94)

H. pyloriがどう癌へと始動させるかについてははっきりしていないようですが、iNOSによってもたらされた酸化ストレスが関連しているようです。このiNOSは、H. pyloriに反応した炎症性細胞が産生するようです。

NOには、変異原性があり(!)、上皮細胞のDNAに異常を起こすかもしれない。

iNOSは、異型細胞や胃癌の細胞質に認められる。

その後の腫瘍化促進因子についても大方分かってないが、次の因子が注目されている。

1)遺伝子異常の順次的蓄積
2)βカテニン/Wntシグナル
3)骨髄由来細胞の移住

胃癌については、今日はこの辺で、
(diffuse typeも別)

肝臓癌についても、ウイルスは除去できなくても、癌化に関与する因子が分かれば、そこをターゲットにする薬剤ができそうですね。

ソラフェニブも一つなのでしょうか。

投稿: 管理人 | 2009年1月 3日 (土) 18時28分

ウイルスがいても悪さできないようにできればいいですね(共存できれば)。多段階発癌の流れのどこかでストップをかければいいのですからね。ピロリにしても、Cog A(いまさらですが、細菌性癌タンパク質;カキコしてから雑誌で知りました)を細胞内に注入できないようにするか、注入されたCog Aがシグナル伝達に作用しないようにできれば一定の段階でがん化への流れをストップできるのでしょうが。むずかしいなぁ。
各臓器/組織のがん化のながれ(シグナル伝達のレベルにおいて)で共通部分が(共通分子)どの程度あるのか、どの部分(分子)で共通しているのかがわかれば、それぞれどの薬剤(分子標的治療薬)が有効であるのかわかるのにねぇ。ソラフェニブはRAFで阻害するけど、どの臓器のがん化でRAFの活性化が関与しているのか、いちいちお薬を使って調べるのって面倒だなって思います。最近は分子の構造で持ってお薬を作っているようですが。HCCでも、RCCでもRAFの活性化ががん化に関与してるってことですよね。そういえば、細胞ないの変化を可視可する方法がありましたよね。また、雑誌でみてみます。半分独り言でした。

投稿: mika | 2009年1月11日 (日) 18時18分

こちらではコメントを頂いたことがないので、レスが書けてうれしいです。

>ウイルスがいても悪さできないようにできればいいですね(共存できれば)。多段階発癌の流れのどこかでストップをかければいいのですからね。

多段階発癌についても大腸癌以外ほとんど分かっていないのではないでしょうか(APC、COX-2→p53、ras→→)。

COX-2阻害が最も進んでいます。Aspirinや他の、NSAIDs内服で、中等度のリスク者で、20-40%の大腸腺腫、大腸癌の発生を予防できるようです。当然、心血管への影響や、消化管出血のリスクがあり、現時点では推奨されていません(Grade 1B)。

>ピロリにしても、Cog A(いまさらですが、細菌性癌タンパク質;カキコしてから雑誌で知りました)を細胞内に注入できないようにするか、注入されたCog Aがシグナル伝達に作用しないようにできれば一定の段階でがん化への流れをストップできるのでしょうが。むずかしいなぁ。

CagAです、ね!
(http://www.pnas.org/content/105/3/1003.full?sid=5af8a843-5994-4efb-bb97-cae43c83992b)

>各臓器/組織のがん化のながれ(シグナル伝達のレベルにおいて)で共通部分が(共通分子)どの程度あるのか、どの部分(分子)で共通しているのかがわかれば、それぞれどの薬剤(分子標的治療薬)が有効であるのかわかるのにねぇ。ソラフェニブはRAFで阻害するけど、どの臓器のがん化でRAFの活性化が関与しているのか、いちいちお薬を使って調べるのって面倒だなって思います。

どの癌腫をみても、同じ分子が登場しますしね。

>最近は分子の構造で持ってお薬を作っているようですが。HCCでも、RCCでも RAFの活性化ががん化に関与してるってことですよね。そういえば、細胞ないの変化を可視可する方法がありましたよね。また、雑誌でみてみます。半分独り言でした。

活性はタグをつけてみることは技術的には可能になってきているようです。ただ、まだまだ問題はあるようで、臨床応用はまだまだ先でしょう。

オワンクラゲの蛍光色素GFPを癌細胞にくっつけたもので転移や増殖の評価もできるようになってきているようです。

機会があったら、扱ってみたいですね。
http://www.metamouse.com/Gan-Gakkai_poster_Press_release___.pdf

投稿: 管理人 | 2009年1月11日 (日) 19時10分

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